むきょうおとぎぞうし
夢境御伽草子(仮)
第一話 ようこそ幻想郷!?へ!
「・・う〜ん、」
史明が起きてみると、そこはとても黒く、深い霧の中。
周りを見渡しても何もない。
「あれ?宗一?智羽ー?」
一緒にいた2人もいない。
「おっかしぃなー。ここはどこだろう・・・。たしか、神社の社に入って…」
そんなことを考えていると、突然黒い霧が晴れてきた。
幽かに、少しずつ、何かが見えてくる…
「ヨオコソ、幻想郷ヘ」
そこには、マッチョがいた。
一話 −ようこそ幻想郷!?へ!−
「少年よ、ようこそ幻想郷へ」
黒光りしたマッスルボディの兄貴が語りかけてくる。
夢ならどうか覚めてくれ。
でも、今幻想郷って言ってたな・・・まさか・・・、
「・・・え・・・?ここって、幻想郷なんですか?」
「違う」
「違うの!?」
「ここは夢境(むきょう)の地」
「夢境の地・・・?」
「世界、万物、時空・・・全てが入り混じった即ち『混沌の世界』」
「混沌の世界・・・」
「お前達はこの世界に迷い込んできた。出口は己で探すべし」
「なんかパッとしないなぁ。」
「さぁ、この扉の向こうに汝の進むべき道がある。行くがよい・・・」
「・・・。」
さっきからこのマッチョが長々と話していた事を
本当に信じるべきなのだろうか・・・?
「・・・でもまぁ、こんなところでウジウジしてても仕方ないか」
「では、扉を開けよう」
ギィッ・・・
バタンッ・・・
「失礼、今のは私のプライベート☆ルームだ」
「なんか今とっても気持ち悪いのが見えました。」
ギィッ・・・
扉を開け、入ってみるとそこにはただ広い湿原があるだけだった。
「・・・・なんだ、何もないのか。」
史明は、少しがっかりした。
「ここでどうすれば良いんだよ・・・あのーマッチョさ―」
後ろを振り返るとさっき通った扉は無かった。
「ぇええええええええ!!??マジ!?」
幽かにマッチョの高笑いが聞こえる。
あの野郎やりやがった。
「・・・・、どうしよう。」
史明は第一話から路頭に迷ってしまった。
【一方その頃宗一サイド】
「随分だだっ広い湿原だな。」
宗一は目が覚めると辺りを見回して、
冷静に考えていた。
「こんなところで騒ぐのはバカだろうからな、
とりあえずあいつらを探…」
史明の叫び声「ぇえええ!!?マジ!?ちょっ、待っ・・・
マッチョ逃げんじゃねぇぇぇ!!!!」
「(いたよ・・・バカが一人) 」
宗一は聞こえてきたバカの声の方へゆっくりと歩き出した。
【一方その頃智羽サイド】
「う〜ん、何で湿原に来ちゃったんだろ。」
「先輩達はどこに行ったのかなー。」
「・・・ま、いいか♪」
智羽はピクニック気分でいた。
【戻って史明サイド】
「ちくしょう・・・マジでどうしようこの状況・・・」
そんなことを考えながら歩いていく史明。
すると、そこには大きな神殿があった。
「・・・、」
その神殿はまるでギリシアにありそうな
白く、立派な岩でできた神殿だった。
史明は、何故だか不思議な気分にかられ、
ボーッとその神殿を眺めていた。
「おい、何突っ立ってる」
ボーッとしていると、後ろから声をかけてきた。
宗一だ。後ろに智羽もいる。
「あれ?みんないたの?よかった〜。」
「お前があれだけ叫んでればそりゃ見つかるわ」
「先輩簡単すぎです。あと変です。」
何か負けた感が否めないがまーそんなことは置いておこう。
「この神殿は何だ?」
宗一はとても興味深くその神殿を眺めている。
「入ってみればいいんじゃないですか?」
智羽は相変わらず猪突猛進です。誰か止めてやって下さい。
「でも、眺めてるだけじゃ何も変わらないよね。
この場を立ち去るかそれとも神殿に入るか・・・」
ちなみに自分はとても神殿の中に興味津々だ。
中にモンスターがいるかもしれない。今のうちに
セーブしとかなきゃ。あと装備も整理しないと・・・。
えーと、回復薬グレートくらいは持ってった方がいいかな。
「お前は何を考えてるんだ?」
「いや、何でもないぜ。弾幕はパワーだぜ。」
「はいはい。入ろうぜって事ね。」
宗一は大体俺の言いたい事がわかる。マジ便利。
「じゃ、入ってみるか・・・。」
そうして3人は神殿の中へ慎重に入っていった。
=神殿内=
中へ入ってみると薄暗く、空気が冷たい。
内部構造は特に変わったところは無く、普通の神殿だ。
ん、でも奥の方に扉がたくさんある。
「なんか随分重々しいな」
「そうだね。ゲームだとこんな感じの神殿に
入っても神秘的なBGMが流れてるからねー」
「何か出るのかなー」
一歩ずつ慎重に歩いていく3人。
すると、奥にある部屋から光が射しているのが見えた。
「あの部屋、なんか明るいよ?」
「入ってみるべし!」
「智羽、少しは警戒してくれ。」
そんな宗一の警告も聞かずに速足で部屋に
向かって行く智羽。 2人も急いで後を追う。
部屋に着くと、部屋の真ん中に
青く光るワープホールのようなものがあった。
「…なにこれ。」
「…どっかに行けるんじゃないのか?」
「まるでスーパー○リオ64のワープゾーンですな。」
「お前そんなわかり辛いネタでいいのか?」
「いや、天下に名高い○天堂だから大丈夫でしょ?」
「先輩、これは入るしかないでしょ??」
「いやなぜそうなる!?」
「そりゃまぁ私達順応性の高い民族でしょ?」
「…確かにこれは我らニコ部の意地にかけても入らなければなるまい」
「お前らこういう時は頼もしいな。」
と、ひとしきりの掛け合いをした後、
3人は少し黙って、考え始める。
「どうするー?これー」
「おい史明、ワープゾーンに気安く触るな」
「やべwなんかブヨブヨしてるw」
「マジッすか!?」
智羽まで両手で触り始める。
宗一はもうツッコむ事に疲れていた。
「すごい!ホントにブヨンとしてる!」
「宗一ー!見て見て!アメ〜バ〜」
パシッ
「ワープゾーンで遊ぶな!」
「ぁあ!俺のアメーバが!」
宗一に弾かれ飛んでった俺のワープゾーン素材の
至高作品『アメーバ』が天高く舞い上がる。
そして部屋の隅の壁にベチャと音を立てて
その作品はもろくも溶けるように床に落ちた。
史明は落下地点まで駆け寄ろうとする。
が、
ドサッ!
「え!?ちょ、智羽押すなぁぁあああああああああああああああ〜!!?????」
ワープゾーンで遊んでた智羽とぶつかってしまい、
史明は足を滑らしてワープゾーンに勢いよく落ちてしまった。
まるで水泳の授業中に飛び込む寸前に後ろから友人にどつかれた時のように。
「え!?あ!先輩!?何落ちてるんですか!?」
ここでボケるのか智羽。という顔で落ちていく史明、
「おい!史明!あーくそ!もう飛び込むわ!」
宗一も跡を追うように飛び込む。
「ちょっと!私も行く!」
智羽も慌てて飛び込んでいく。
ワープゾーンに入ると、特に特別なことはなく、
アニメによくあるような話だけど、感覚も無いまま
一瞬の出来事のように何かが過ぎていく感じだけした。
気が付けば、3人は神社の社の中で倒れていた。
3人は起き上がると、少し間をおいて話し始めた。
「…今のは夢じゃないんだよね?」
「ああ、神殿でワープしたんだろ?」
「智羽もそうだよ、夢じゃないんだね。」
とにかく俺が今一番言いたいこと、
「結局どこ行くわけでもなく戻って来ちゃったの?」
これはかなり残念だ。折角なんだし、もう少し
冒険してみたかった。こんなこと滅多に無いのに。
「とりあえず、外に出よう。」
宗一がボソッという。
確かに、時間が気になる。
外に出ると、そこはなんてことない。
来たときとほぼ同じ時間…。
「なんか不思議な体験だねー」
智羽が言う。確かに摩訶不思議すぎてちょっと戸惑う。
「とりあえず、今日はなんか疲れたからこれで
神社の探検は終わりにするか。」
宗一はたぶんツッコミで疲れたとそう思う。
結局、今日のところはこれくらいで
解散することにした。
3人で神社から出るとき、鳥居の真下あたりで
史明は後ろを振り向いた。
なんてことない、ボロっちいおやしろ。
しかし、まだまだ何かがありそうな気がしてならなかった。
史明はそんな衝動に駆られていた。
−つづく−
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